41名無しさん@おーぷん2016/05/30(月)18:27:07ID:dGG
彡(゚)(゚)「これも5W1Hで表してみるやで。元々の話に設定されていた核はwho(切断された死体)とwhat(喋る)の二つだけや。誰の死体かは決められてへんから、これでも都市伝説としては成立する」

彡(゚)(゚)「せやけど、これが真実(のような話)として流布されるには弱い。なぜならwhy、死んでいるはずの人間が喋る理由が存在していないからや」

彡(-)(-)「whyの有無が噂に与える影響はかなり大きいんやで。この点についても語りたいんやけど、長くなるから止めとくわ」

(´・ω・`)「だったら最初からそんなこと言わないでよ」

彡(゚)(゚)「北海道verは元の話の弱点である信憑性の薄さを克服した。それは同時に、この都市伝説を語るのに欠かせない設定、すなわち枝葉ではなく核が付け足されたということや」

彡(゚)(゚)「枝葉の変容が都市伝説の特徴と言ったが、この話の場合核の部分まで大きく踏み込んだ上で、内容が改変されている。せやから、北海道verは元の話の派生というよりは、元の話から進化した都市伝説だと言った方が適切やな」

彡(゚)(゚)「寒さで血流が止まるという理由を考えた奴は偉大やで。時代の進歩に合わせられず消えかけていた元の都市伝説を見事生き返らせてくれたわけやからな。ワイが個人的に賞を送ってやりたい位や」

(´・ω・`)「そこまで言うほどのもんじゃないと思うけどね」

彡(゚)(゚)「せやけどその代償として、whereの部分に『血流が瞬時に凍りつくほどの寒い場所』という縛りも生み出されてしまった」

彡(゚)(゚)「ワイはまだ現在の都市伝説が他国に広まったものを確認できてへんが、変わるにしてもロシアやらアラスカやらの寒い地方にしか変異先が見付からん」

彡(゚)(゚)「まぁ環境が違いすぎるせいで、ハワイやオーストラリアなんかでこの都市伝説が広まるのは少し難しいやろうな。残念なことや」

(´・ω・`)「さっきから僕の言うこと無視してない?」
42名無しさん@おーぷん2016/05/30(月)18:28:02ID:dGG
彡(゚)(゚)「さて、今解説したのは生き残った例やけど、今度は途絶えてしまった例について紹介しよか」

彡(゚)(゚)「話の核が時代・環境に沿ったものであれば、都市伝説はいくらでも姿を変えて生き続けることが出来る。せやけどもちろん、それ以外の理由で根絶えてしまった話もあるで」

彡(゚)(゚)「例えばこれ。2006年にアメリカで爆発的に広まった都市伝説、『リバース暗証番号』や」



先進国の中で、ATMで強盗に会う確率が一番高いのがアメリカであることを知っているだろうか。実は、こうした被害を防ぐ為の裏技がある。
銃やナイフを突きつけられて、ATMから現金を下ろさなければならない時は、暗証番号の4桁の数字を逆の順番、つまり1919だったら9191と打ち込めばいい。
これはアメリカ全土の銀行やコンビニの全てのATMに搭載されているシステムで、キャッシュカードに設定されている4桁の数字が逆に打ち込まれると、最寄りの警察署から一番近くにいるパトカーに無線が入って、強盗に知られずに危険を知らせることが出来るようになっている。
導入前の実験では、警官が現場に到着するまでの平均時間は約一分であった。アメリカ国内ならどんなATMにもこの機能が搭載されているが、この事実を知っているアメリカ国民は少ない。



彡(゚)(゚)「これは口伝えと同時にチェーンメールでもこの噂が広まっていったものの、今では誰も話す人はいないんや。理由は簡単、当時の米政府が公式にこの都市伝説を否定したからや」
43名無しさん@おーぷん2016/05/30(月)18:28:39ID:dGG
彡(゚)(゚)「この都市伝説はそもそも、1994年にアメリカの弁護士ジョゼフ・バーカーが、実際にこの緊急用暗証番号の特許を出願したことに端を発する。『セイフティPINシステム』という名前で、内容もこの都市伝説と大体同じやで」

彡(゚)(゚)「せやけどこの利用法には大きな欠陥があった。なんだか分かるか?」

(´・ω・`)「……ひっくり返しても同じ数字の場合は使えないってこと?」

彡(゚)(゚)「せや。他にも緊急事態の時に、落ち着いて逆側から入力できるのかとか、導入時のコストが莫大だとかで、特許は取れたものの実際にアメリカの銀行で採用されることは無かった。その後10年以上の時を経て、この都市伝説がアメリカで大流行したんや」

(´・ω・`)「なんで10年も経ってから流行りだしたのかな?」

彡(゚)(゚)「10年の間にジョゼフが各銀行にシステムの導入を提案したもののどこも取り合ってくれず、ヤケになって流したという説があるで。もちろん本人は否定しとるがな」

彡(゚)(゚)「事態を重く見たクレジットカード協会が、アメリカの連邦取引委員会に真相の調査を依頼。そして翌年の2010年に、同委員会が「アメリカ国内でリバース暗証番号システムを搭載したATMは発見出来なかった」と発表し、事態は終焉を迎えたんやで」

(´・ω・`)「政府が動くなんて随分と大変な騒ぎだったんだね」

彡(゚)(゚)「都市伝説が社会にもたらす影響としてはかなり大きい方やろうな。せやけど政府の対応のせいで、リバース暗証番号という魅力的な話が潰えてしまったのは残念や」

(´・ω・`)「悲しむのも変な話だと思うけどね」
44名無しさん@おーぷん2016/05/30(月)18:28:59ID:TbS
信じてしまいそうな都市伝説やな
45名無しさん@おーぷん2016/05/30(月)18:29:18ID:dGG
彡(゚)(゚)「この都市伝説が廃れた最大の原因は、内容が明確過ぎたからや。専門性が高かったから廃れた、とも言えるな」

彡(゚)(゚)「この話の核は『暗証番号を逆から打ち込むと、外部に連絡できる』という点。5W1Hにおいて、whatとhowしか決まっていない」

彡(゚)(゚)「せやけど、この二点を満たせる状況は相当限られるやろ。ただの金庫じゃ外部には繋がらへんし、もっと他に良い連絡手段がいくらでもあるはずや」

(´・ω・`)「まぁ確かに、ATMくらいにしか使い道はなさそうだよね」

彡(゚)(゚)「つまり、この都市伝説と同じ事態が起き得る場所がATM位しかあらへん。変異を阻害する要因であるwhereが定まってしまっていたんやな」

彡(゚)(゚)「そしてアメリカ政府がリバース暗証番号システムの虚偽を公表したことで、真偽が確定してしまった。そうしてこの都市伝説は廃れてしまったんや」
46名無しさん@おーぷん2016/05/30(月)18:29:53ID:dGG
彡(゚)(゚)「リバース暗証番号システムは都市伝説としては魅力的な内容であったものの、変異を起こすには内容が特殊過ぎた。ATMという限られた環境にしか依存できなかったせいで、否定された時に拠り所を失ってしまい、息絶えてしまったというわけやな」

彡(゚)(゚)「ただし、これはアメリカでの話や。他の国ではリバース暗証番号も都市伝説の一つとして広がっているし、日本でもたまに目にするで。アメリカみたいに公式に否定されなければ続いてくやろ」

彡(゚)(゚)「当たり前の話やけど、疑いをかけられている対象が否定しない限り、噂っちゅーのは無くなることが無いんやな」

(´・ω・`)「新田恵海はAV疑惑を否定したのに噂が止まないけどね」

彡(゚)(゚)「可哀想だから止めてってお前言わなかったか?」
47名無しさん@おーぷん2016/05/30(月)18:30:37ID:dGG
彡(゚)(゚)「さて、最後にワイが個人的に面白いと思う都市伝説を紹介して終わりにしたろか」

彡(゚)(゚)「この話が広まったのは1980年代。題名は『だるま女』や。タイトルから想像できるやろうけど、結構キツイ内容の話やから、苦手な人は注意してな」

(´・ω・`)「今更そんなこと言うのもどうかと思うよ」



友達の友達である男子学生から聞いた本当の話。この人はかなりのアジア好きで、年に何回も旅行に行く。外国語も堪能で、あちこちに現地の友達もいるから、普通の観光客では近付けないようなところにも出入りできるらしい。
彼がある時中国の香港に旅行に行った際、秘密裏に行われるショーを見に行ったそうだ。
時刻は深夜、場所は路地裏に設置された薄暗いテントの中。中央に取り付けられたテーブルの上には、両手両足を切断された女性が転がっていた。恐ろしいことに女性はまだ生きており、テント内にいる男達は酒を飲みながら、気ままにその女をレイプしていた。
テーブルまで近付いた時、女性の口がうわごとのように「助けて……助けて……」と呟いているのを耳にした。だるまに変えられてしまったその女性は日本人だったのだ。
しかし彼はその言葉を無視し、足早にテントから立ち去っていった。女性を助け出そうとしたら、自分の身も危険に晒されることが明白だったからだ。
後に現地の友達から聞いた話だが、一人で旅行している外国人の女性をさらっては、彼女のように両手足を切り落とし、「だるま女」として見世物にする中国の闇組織が存在するらしい。
中には運よく救出された者もいるが、麻薬で薬漬けにされており自身の名前も覚えておらず、身元の特定は不可能だそうだ。



(;´・ω・`)「え、何これは」(ドン引き)

彡(^)(^)「だるま女という、単純明快ながらもどういう状態にあるのかを脳裏にありありと思い描かされるそのネーミングセンス。そしてその妄想を裏切らない凄惨なストーリー。都市伝説の中でもピカイチの完成度と恐ろしさを感じさせる傑作やな」

(;´・ω・`)「よくそんなに絶賛できるね」

彡(゚)(゚)「これも都市伝説としてはかなり有名やろうな。ほな解説していくで」

(´・ω・`)「お願いだから無視しないで」
1001オススメ記事@\(^o^)/2016/05/31 00:48:00 ID:narusoku