117名も無き被検体774号+@\(^o^)/2016/05/23(月)23:59:59.03ID:qtk3vn45.net
それならどうすればいいのか。

それなら願い事事態をなかったことにしてもらえばいい。

もう一度女を呼び出して願い事をキャンセルすればいい。

これがうまくいけば平穏な学校生活が戻ってくるだろうということだった。


しかし、クラス内では「なるほど」と言う声もあれば「絶対に無理だ」
という声もあった。


高木が「どうやって呼び出すのか」と聞くと、
松坂は「みんなでもう一度儀式をする」と答えた。

「仮に儀式が成功したとして、女の神が来るとは限らない。
違う神を呼んでしまったらどうするのか」
という意見に対しては、
「その神に、女を追い払ってもらえるように頼む」と言っていた。


ここで俺も疑問に思ったことを聞いてみた。
「呼び出した神が女かそうじゃないか、どうやって判断するんだ?」

「それはお前が判断するんだ。」
と言われた。


正直戸惑ったが、思い当たる節はあった。
俺の左足に残る女の手形だ。

「お前はある意味、今あの女と繋がっている状態なんだと思う。
女が現れれば、おそらくその手形に何かしらの変化が現れると思う。
かなり不確かなものだけど、これが一番わかりやすいんじゃないか?」

正直自信はなかったが、この方法を実践するならやってみると答えた。



そんな感じで松坂が説明を行っていたとき、会議室のドアが開いた。

入ってきたのはリア充だった。
119名も無き被検体774号+@\(^o^)/2016/05/24(火)00:14:43.22ID:p3bqIAaR.net
リア充は今にも消えそうな声で
「遅れてごめん」と言っていた。


するとクラスのあちらこちらから罵声が飛んできた。

そして1人の男子生徒がリア充の前まで歩いていくと、グーで思いっきりリア充の顔面を殴った。

吹っ飛ばされて倒れたリア充に、またほかの男子が暴言を吐きながら何度も蹴りを喰らわせていた。

すぐに廊下から先生が飛び込んできて男子生徒を止めた。

リア充は何も言わずに嗚咽していた。

先生が「大丈夫か?」と言いながらリア充を立たせると、誰かが
「そいつにかける情なんていらねえよ」と言ったのをよく覚えている。

リア充は泣きながら「助けて」と言っていたが、
周りの生徒は
「助けてほしいのはこっちだ。」
「なに被害者面してんだよ、5人も殺しておいて。」
なんてことを言っていた。

先生が「お前たちなあ!」と声を荒げたところで高木が
「先生、リア充が何か言いたいことがあるそうですよ!」
と叫んだ。
120名も無き被検体774号+@\(^o^)/2016/05/24(火)00:27:38.74ID:p3bqIAaR.net
リア充は先生の手を振りほどくと、会議室の真ん中にやってきた。
そのままボロボロと涙を流して口を開いてはいたが、言葉が出ないようだった。

その間も周りからは
「泣きたいのはこっちだっての」
「言いたいことがあるならさっさと言えよカス」
と心無い言葉が浴びせられていた。

俺はリア充を少しかわいそうだと思った。
それだけのことをしてしまったのは事実だもあるが。

リア充は膝をついて土下座をした。
泣きながら何度も「ごめんなさい」と謝っていた。

みんなをこんな目に合わせるつもりはなっかった。
ふざけ半分であんなことをしてしまったことを後悔している。

亡くなってしまったクラスメイトや担任に合わせる顔がない。

みたいなことを言っていた。


リア充を見る視線は相変わらず冷たかったが、女子の中には
「もういいよ、もうやっちゃったことなんだじゃら一緒に対策を考えよう」
というやつもいた。

俺はリア充のことを絶対に許すことができない。
でもこのときは悪気のなかったリア充に同情していた。
121名も無き被検体774号+@\(^o^)/2016/05/24(火)00:44:45.68ID:p3bqIAaR.net
結局なんやかんやでリア充を責めるのはやめて、話し合いが再開した。


先生にはもう大丈夫だと伝えて廊下に戻ってもらった。

話し合いとは言っても松坂の説明だ。


仮に儀式を行って女が来た場合、そう簡単に願いを取り下げてもらえるだろうかという話になった。

それに関しては松坂もただ「取り下げでお願いします」と言っても可能性は低いだろうと言っていた。

それならそれ相応の代償をまた払えばいい。女が納得できるだけのキャンセル料を出せばいいと松坂は言った。

神相手にそんな話が通じるだろうかとも思ったが、クラスメイトはみんな納得していた。

文章ではなかなか伝わらないと思うが、松坂の話にはなぜかすごい説得力があった。

話の内容はとてもオカルトだが、論理的な話し方、考え方をしているからだと思う。

クラスの空気はもうほぼ儀式をやる空気になっていた。
122名も無き被検体774号+@\(^o^)/2016/05/24(火)00:50:29.38ID:JA+LOOVU.net
おお
125名も無き被検体774号+@\(^o^)/2016/05/24(火)00:57:58.37ID:p3bqIAaR.net
しかしまだ一番重要な代償に何を出すのかが決まってなかった。

リア充が「俺の魂を払ってもいい」と言っていたが、松坂にあっさり断られていた。

仮にリア充の魂を代償にして平穏な生活が戻ったとしても、魂を取られたリア充が無事でいられるとは思えない。

そこでリア充が死んでしまったら、それはもう平穏な生活とは言えないだろう。

そうなれば神は平穏な学校生活という約束を守れなかったことになる。

そうなったときに何が起こるかは見当もつかないから、少なくとも今ここにいるクラスメイトは全員生き残った状態で卒業しなければならないとのことだ。


でも魂レベルに大切なものってのは難しい。

キャンセル料だから魂までいかなくてもいいんじゃないか、と松坂は言っていたが、
同時に確実性をあげるなら大事なものに越したことはないとも言っていた。


そこで松坂はとんでもない提案をした。
126名も無き被検体774号+@\(^o^)/2016/05/24(火)01:09:40.27ID:p3bqIAaR.net
今日中に全部書きたかったのですが、眠気に勝てなそうです。
また明日の夜か、明後日の夜に来て書いていきたいと思います。
127名も無き被検体774号+@\(^o^)/2016/05/24(火)01:14:17.86ID:+hC2PFOp.net
128名も無き被検体774号+@\(^o^)/2016/05/24(火)02:07:37.11ID:tNAzXpNo.net
すごいところで切るね…
釣りでも展開が予想できない
命より大切なものってなんだろう
155名も無き被検体774号+@\(^o^)/2016/05/25(水)21:29:55.82ID:MDxlPpj+.net
>>1です。
今日もあまり時間がないのでかけるところまで書いてきます。



松坂の案は、
100年分の寿命をクラスみんなで割り勘して、代償を払おうということだった。

なんとなく松坂の言いたいことは伝わるが、いまいちピンとこない。


松坂の案は、

この場にいるクラスメイト31人で、一人3年ずつ寿命を差し出す。

でもリア充が多く代償を払ったほうがみんな納得できるだろうから、
リア充だけ差し出す寿命は10年。

30人で90年と、リア充で10年。

俺たちの寿命合計100年を代償として払う。


寿命は魂に比べればランクが落ちるかもしれないが、キャンセル料としては十分なんじゃないか、
と松坂は言った。


たとえば俺が100歳まで生きる予定だったが、実際は97歳で死ぬ。
そういわれるとなかなか良い案だと思った。

これが成功すれば、ほぼ間違いなく卒業まではこれ以上犠牲を出さずに過ごせるだろう。

また、高校生の俺たちにとって老後の三年なんて想像できなかったこともあり、
クラスの全員がこの案にのった。
157名も無き被検体774号+@\(^o^)/2016/05/25(水)21:41:59.72ID:MDxlPpj+.net
そうと決まれば早速儀式の準備を俺たちは始めた。


クラスの女子に酒屋の娘がいたため、飛び切りの酒を用意するように指示。

高木を含む男子数名で儀式に必要な蝋燭、チャッカマンの買い出し。

他の残ったメンバーはリア充の指示の下、儀式に必要な特殊な五十音表を作る事となった。


準備が整い次第、会議室で儀式を行うことに決まった。


一度クラスはバラバラに別れ、各自で準備を行った。

俺は会議室に残って五十音表の作成を見ていた。

手伝おうとも思ったが、左手がほとんど使えないため近くの椅子に座って眺めていた。


俺がぼんやり作業を眺めていると、俺の左足首に激痛が走った。

思わず「ウッ」っと言って足を見ると真っ白い手が椅子の下から伸びていて、
俺の左足首をしっかりと掴んでいるのが見えた。
160名も無き被検体774号+@\(^o^)/2016/05/25(水)21:59:47.96ID:MDxlPpj+.net
全身からサッと血の気が引いた感覚を今でも思い出せる。

俺は恐怖で後ろを振り向くことはできなかったが、間違いなく俺の後ろには女がいた。


恐怖のあまり声が出ずに「うあ・・う・・」みたいに口をパクパクさせていると、
女子の一人が俺のほうを見て悲鳴を上げた。

その悲鳴からクラスはパニックに陥っていた。

俺は後ろを振り返ることもできずに、混乱するクラスメイト達を見ているしかなかった。


逃げようとする者もいれば、腰を抜かして倒れこむもの、
松坂ですらどうしていいのかわからずに固まっていた。


そんな中で一際大きい女子の声がはっきりと聞こえた。

「あんたなんか大っ嫌いだ!!死ね!!」

その女子はそういってリア充をグーで思いっきり殴った。


一瞬場が固まった。

リア充を殴ったのは陰キャラのメガネ女子。
普段静かで声が小さい彼女の突然の行動に唖然とした。

リア充が口を開いて何か言おうとしたが、
言葉を発する前に「うるせえ!!」ともう一発殴られた。


空気が凍り付く会議室、女はいつの間にか消えていた。
1001オススメ記事@\(^o^)/2016/05/30 23:09:00 ID:narusoku